〜地球から脱出するまでの日々の記録〜

2017/08/19

アートユニット「シャミコ」が映画上映と舞踏パフォーマンス


8月23日石巻BLUE RESISTANCEにて「REBORN ART FESTIVAL」に参加中の石巻在住アートユニット「シャミコ」が映画上映と舞踏パフォーマンスを行う。




ー独特なユニット名ですが由来はなんですか?

ユウ:シャーマンと巫女の合体ですね。自分たちのルーツに神社があったり、お互いシャーマンや巫女の儀式的行為に親近感を覚えたこともあって名付けました。


ーシャミコはどのような経緯で結成されたのですか?





ユウ:現在、石巻で開催中のリボーンアートフェスティバルに参加中なんですが。ふと思ったのが、地域にとってのアートってなんだろう。アートに触れるのではなくて、人々がアートに参加するってどういうことなんだろう。自分の地元を思い出したり、民俗文化について調べていくうちに、「踊り」という存在にたどり着いて。そこから、浜に移住したアーティストの和美ちゃんを思い出して。「ちょっと聞いてみたいことがあるんだけど」と相談したのがきっかけですね。


ー和美さんは相談に応じたんですね。


和美:「なんでもやるぜ」って。そこから彼が浜にやってきて、住民の家にお邪魔して話を聞いていくなかで、初めて聞くようなことがあって。この浜にもお祭りがあって、みんなで一緒に踊ったりしていた。今はお祭りもやらなくなって、踊りたくても踊る機会がないっておばあちゃんが言ってたりとか。写真も残ってないし、歌も忘れてしまったって。

ユウ:そこから、お祭りを復活できたらいいんじゃないかと思ったんですね。ただ若い人がほとんど浜から出ていってしまっていて。イベントとして復活させるのは現実的に難しいなって。若い人が地元から出て行くというのは、仕事だけでなく、これまで続いてきた文化もなくなってしまうんだなあと実感したというか。

ーそこから、イベントではなく別な方法を考えていった






ユウ:もちろんいつかはお祭りもできればと思っていますが、まずは自分たちにできることからということで映像に着地しました。和美ちゃんが最近「狐の嫁入り」をテーマとした結婚式を挙げて、ちょうどその映像も撮影していたので。彼女が作り出した世界のその後を描いてみようと。あの時に生まれた過去の現在ですね。そこに浜の状況も重ねながら。


ー映像はどのような内容になっているのですか?





和美:ざっくり言うと、「狐崎浜で生活する狐の娘が、過去の賑わいの声に導かれ、金華山をのぞむ御番所公園で「祭」を祀る」Facebookの投稿を読む)。タイトルは「マツリマツリテ」。 


ユウ:撮影クルーは、監督・撮影・編集が自分で、和美ちゃんが主演の二人です。15分程度の短編。機材や小道具運びだけでお互い息切れしていました。


和美:二人だけで撮影した奇妙な雰囲気と疲労感が出てると思う。


(マツリマツリテ予告)



ーなかなか身体を酷使されたのですね笑 今回は映像のほかに身体パフォーマンスがあるとのことですが、お二人はもともと踊られていたのですか?





和美:わたしは舞踏を踊っていました。全身を白塗りにして。異様な雰囲気なので人に引かれることが多いですね。それがいつのまにか快感に変わっていました。体の内側がギュン!となる。





ユウ:それでいうと、自分は彼女とは逆で。いかに人を引きつけられるかを意識して踊っていました。ヒップホップ、ロック、ジャズ、決まった振り付けをかっこよく見せていくみたいな。だから和美ちゃんと一緒に踊るのがすごく怖いです。


ーそれはなぜですか?





ユウ:今回の踊りは、まさに自分の内側の弱い部分やかっこ悪い、変な自分をみんなの前で晒していくんですよ。そういう部分を見せたくないから、かっこよく見せていたふしがあると思うんです。彼女に禁断の扉を開けてもらいます。本当に想像できない。めっちゃ怖いですよ。どうなるかわからないって。ただ、不安と同時に好奇心もあります。


和美:彼は手足とか長いのに殻にこもるように縮こまっているんですよね。もったいないなーと思って。なので殻をぶっ壊して伸ばしまくります。さらけ出せーーー!って。人間なんてみんな変態なんだから隠さなくていいよ。

ユウ:手足については最近整体の人にも言われた。長いねって。だからうまく施術できないって笑。その時に自分って手足長いんだーと思った。自分ではあまり気づかない。最近は撮影する側だから無意識のうちに固まってしまっているんだと思う。

ー誰かが表現してくれることで気づくこと、思い出すことってありますよね。

和美:それでいうと、今回自分たちの作品を見て、何を思い出したのかを聞いてみたい。過去の思い出なのか、誰かのことなのか。


ユウ:それこそ忘れていたもの、見えなくなっていたものを見るための媒体になれたらと思っています。抑え込んでいる声や欲求とか。


ー現代のシャーマンと巫女の共演、楽しみにしていますね。ありがとうございました。


インタビュー:シマワキ ユウ 
写真:シマワキ ユウ


|イベント情報

「ISHINOMAKI PITCH」



石巻でエッジを利かせ活動するアーティストたちが、全国10自治体から集まるエッジの利いた人たちへ向け、パフォーマンスという形でピッチを行います。生粋の石巻人、移住者、Uターン、石巻を発つ人、あらゆう人種がこの夜一つのステージに集う。

【詳細】
2017.8.23(sat)
OPEN 20:00
START 20:30
CLOSE 22:30
¥3,000(+1Drink)

【出演】
楽団ひとり
萌江
シマワキユウ&太田和美
ジュリモンキー
DJ Lemon
VJ TOMIGI

【人体生け花パフォーマンス】
岡 泰史(フラワーガーデンはなき)

ご入場希望の方は、当日、会場受付までお越しください。